about PSYCHO PLANET & kiss-O-matic
PSYCHO PLANET・・・・・・世界中にいるポイズン・ガール・フレンド・マニアにとって、今回kiss-0-maticのリリース元であるこのレーベルの名前は実に感慨深いものがあるはずだ。なぜならPSYCHO PLANETとは、ポイズン・ガール・フレンドがまだポイズン・ガール・フレンズだった時代(つまり、nOrikOのソロ・ユニットになる前の形態ね)の91年にnOrikOがポイズン・ガール・フレンズの1stミニ・アルバムをリリースした際、冠せられたインディ・レーベル名なのだから。ちなみに、そのミニ・アルバムには当時から交流が深かったVOICE PROJECT のDJ BABY TOKIOがパーカッションで参加していたり、ニューウェーヴ少年・少女の巣窟だったイヴェント、『CLUB PSYCHICS』のDJ YASS がジャケットのアートワークを担当していた・・・・・なんてこと書いても、今のクラブ・キッズたちには何のことだかサッパリ分かんねえんだろうが、とにかく現在のようにクラブがブームとなる遥か前の、クラブが妖しい雰囲気で満ち溢れていた幸せな時代に存在していた由緒正しき(?)
インディ・レーベルなのである。
アーティストとして前進するためには、自らの原点に戻ることが必ず一度は必要になる。したがってパンクのDiY精神に多大な影響を受け、今までノー・マネージメントで活動のすべてを自分の手でコントロールしてきたnOrikOにとってPSYCHO PLANETから作品をリリースするということはごく自然な流れなのであろう。原点に回帰し、自分の音宇宙を見つめること。これはその宇宙の中で出会ったnOrikOと宇野さんが作り出した限りなくロマンティックなサウンド・ファンタジーである。好きな雑貨とレコードに囲まれたモダンなリヴィング・ルームで夢想する僕らも、これさえあればいつでも宇宙に行けるさ。
1996年11月 小暮秀夫