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宇野君は4年前も、『エンジェリック・ハウス』というコンピレーション・ア ルバムを手掛けていたが、そこに参加していたひとりが、いまや日本を代表する DJのワダさんだった。宇野君は前からデトロイティッシュな綺麗めの音と、 ハウスの恍惚としたビートと、女性ヴォーカルの優しい感じが好きだったので、 そのコンピレーションはいかにも宇野君らしい内容となっていた。昨年、宇野 君と会った時に、ドラムン・ベースに心酔しているようだったので、そのあた りの影響が彼の新しい音楽活動に出るのかと思ったが、Kiss-O-Maticの音は 『エンジェリック・ハウス』の延長線上にある。COMMUNIQUEからリリースされ た宇野君の曲も、アシッドで名高いそのレーベルの他のトラックとくらべると ずいぶんと異質に感じるほど綺麗めの音色を使っていたが、Kiss-O-Maticでは さらに冒険的に彼らの世界観を広げているし、これまでポイズン・ガールフレンド や宇野君のやってきた集大成的な内容になっている。
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1996年10月 野田努(ライナー・ノーツより転載)